日常のセルフケアとしてアイシング(クーリング)を行うシチュエーションはさまざまです。
暑い日のクーリング
練習後のケア
患部のコンディショニング
今回お話するのは、成長痛などいわゆる慢性的に続く痛みがあるときのアイシング方法です。
患部を温めるべきか、冷やすべきか分からない
このような疑問がある選手・チーム関係者様・保護者様におすすめのコラムです。
スポーツ外傷と障害の違い

外傷 = 突発的な外力・アクシデントで起こる怪我
例えば、ねんざ・打撲・肉離れ・骨折が外傷です。
障害 = 繰り返される小さな外力・疲労の積み重ねによって起こる怪我
例えば、オスグッド(成長期の膝痛)・シーバー病(成長期の踵痛)・野球肘が障害です。つまり、オーバーユースからくる痛みのことです。
外傷と障害。似ている言葉でも全く意味が違いますよね。”痛み“・”怪我“という意味では同じですが、痛みの原因が違うのでアイシングの考え方も必然と変わってきます。
慢性痛のアイシング

ポイントは3つです。
❶中止すべきとき
❷時間と間隔
❸運動パフォーマンスと疲労回復への影響
1つずつ説明していきます。
中止すべきとき

アイシングで患部を冷やすことで、下のようなメリットが出ます。
- 神経の働きが弱まり、痛みを感じづらくなる
- 筋肉のこわばりが抑えられる
一方で冷やしすぎることで、凍傷などのリスクが出てきます。
“冷たすぎて痛い“
”冷たすぎて感覚が分からなくなってきた”
このような場合はすぐに中止しましょう。神経マヒや凍傷になってしまうリスクがあります。
時間と間隔

10~20分程度で実施 します。アイシングとアイシングの間隔は1時間ほどとるのが一般的ですが、慢性痛に対してはさほど繰り返す必要はありません。特に理由がなければ1回で大丈夫です。
外傷直後は必要に応じてアイシングを繰り返し行うことが必要です。目的は我慢できない痛みをアイシングによって緩和させることにあるからです。
一方で、慢性痛≒使い過ぎ(オーバーユース)の場合には血流の改善を促すことを考慮すると、ウォーミングの必要性が出てきます。ただし、温めすぎると痛みを悪化させかねません。
そのため、アイシングを控える方向にシフトします。あるいは、交代浴を実践するのも1つの方法です。
運動パフォーマンスや疲労回復への影響

筋肉痛や筋肉の疲労感を和らげるためにもアイシングは有効 です。ただし、下の理由から運動が終わったら早めにアイシングをしてあげましょう。
運動後4時間以降に行うアイシングでは、筋肉痛や疲労感を和らげる効果は乏しい
夏場の練習や試合後にアイシングを行うときには早めに行いましょう。なぜなら、運動したことで上がった体温を冷やすことがアイシングの目的の1つだからです。
局所的な疲労感がある
怪我からの復帰間もない時期
このようなときにおすすめです。冬場は練習終わりに身体を極力冷やさないことも重要です。必要に応じて患部を冷やすと同時に足先・指先・身体は冷えないように工夫しましょう。
また、夏場なら局所的なアイシングではなく広範囲のクーリングがおすすめです。
例えば、冷水に浸けておいたタオルを首や足首に巻いたり、太ももに巻きつけたりすることも有効です。
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