「ちょっと転んだだけで骨折…」そんな経験はありませんか?
高齢者に多い骨粗鬆症は、気づかないうちに骨がもろくなり、骨折の連鎖を引き起こす怖い病気です。
寝たきりや介護のリスクも高まるため、早めの検査と治療がとても大切です。
なぜ骨粗鬆症で骨折を繰り返すのか?

高齢になると骨がもろくなり、ちょっとした転倒でも骨折につながります。
特に骨粗鬆症は、骨密度が低下して骨がスカスカになった状態。
一度骨折すると、再び骨折するリスクが飛躍的に高まるので注意が必要です。
たとえば大腿骨や背骨などの骨折は、寝たきりや介護状態への移行を招きやすく、社会的にも大きな影響があります。
ある調査では、大腿骨近位部骨折で死亡リスクが6.7倍、脊椎骨折では8.6倍になるという報告も。
日本における骨粗鬆症治療の現状と課題

実は日本では、骨粗鬆症の検査や治療を受けている人が驚くほど少ないのが現状です。
全国平均で検査率は5%程度、岡山県に限っては2%未満とも報告されています。
それにひきかえ欧米諸国では、骨折を起こす前から骨粗鬆症のスクリーニングと治療をするのが一般化されています。
当院の骨粗鬆症検査の特長【DEXA導入】

当院では、国際的に信頼性の高い骨密度検査「DEXA法」を導入しています。
大腿骨および腰椎を対象としたこの検査は、近隣のクリニックではまだ導入例が少ない高精度な検査機器です。
レントゲンや超音波などの簡易検査とは異なり、DEXA法では骨の強度を精密に測定できるため、早期発見と正確な診断が可能です。
骨粗鬆症の治療の第一歩として、とても有用です。
骨代謝マーカーとビタミンD測定で見える骨の質

骨の健康は、密度だけでは測れません。
当院では血液検査により、骨代謝マーカー(骨の新陳代謝を示す指標)や、ビタミンD(25OHVD)の血中濃度も測定しています。
これらの数値により、以下のことが分かります。
- 骨がどれだけ壊されているか?
- 骨がどれだけつくられているか?
- 身体がどの程度カルシウムを吸収できているか? など
結果として、一人ひとりに合った治療方針を立てることが可能です。
繰り返す骨折を防ぐための最新治療

骨粗鬆症の治療と聞くと、まず内服薬が思い浮かぶかもしれません。
当院でも、効果や副作用を考慮した最適な内服治療をご提案しています。
さらに最近では、注射による新しい治療法も選択できるようになっています。
月に1回、あるいは半年に1回の注射で治療が可能な薬もあり、飲み忘れの心配が少ないことから継続しやすいのが特長です。
一度骨折した方こそ再骨折予防を意識しよう

一度骨折すると、次の骨折(セカンド・フラクチャー)を起こしやすくなると言われています。
特に脊椎や大腿骨の骨折は、その後の生活の質に大きく関わってきます。
骨折後こそ、骨密度の測定や骨代謝評価をおこない、必要に応じて適切な治療を始めることが再骨折予防には欠かせません。
当院では、骨折後のリハビリや治療継続の支援体制も整えています。
骨粗鬆症による介護リスクを減らすには?

介護が必要になる原因の上位には、「転倒・骨折」が挙げられています。
つまり骨粗鬆症の早期診断・治療は、将来の介護リスクを軽減するカギになるのです。
ご本人にとっても、ご家族にとっても、生活の自立を守ることは大切なことでしょう。
今のうちから骨の健康を意識することが、将来の生活の安心につながります。
当院での検査・治療の流れとご案内

当院での検査・治療の流れは、以下のとおりです。
- ご相談・診察
- DEXAによる骨密度測定と血液検査
- 検査結果をもとに治療方針のご説明
- 継続的なフォローアップと再評価
検査・治療には保険が適用されます。費用面のご不安やお悩みも、お気軽にご相談ください。
まとめ

- 骨粗鬆症は自覚症状がなく進行し、気づいたときには骨折というケースが少なくありません。
- 一度の骨折をきっかけに、連鎖的に骨折をくり返すリスクがあります。早期の検査・治療が何よりも大切です。
当院では高度な検査と多彩な治療法を通じて、みなさまの骨と暮らしを支えます。