「走るたびにアキレス腱が痛い…」「ストレッチしても良くならない」そんな悩みを抱えていませんか?
放っておくと痛みが悪化し、走れなくなることも。
この記事ではアキレス腱が痛む理由と、走りながらできる効果的な対策を整形外科医が解説!
正しい知識とケアで、痛みに悩まされずに走れる身体を取り戻しましょう!
ランニングでアキレス腱が痛む理由

ランニング中にアキレス腱が痛む原因には、筋肉や関節の使いすぎだけでなく、フォームやシューズの問題などさまざまな要因があります。
この章では、痛みが生じるメカニズムとその背後にあるリスクをくわしく解説します。
- アキレス腱の役割と負担がかかる理由
- よくある痛みの原因3つ(使いすぎ・柔軟性低下・フォーム不良)
- 慢性化のサインとは?
ケガの予防や早期対策につながり、安心して走り続けられるヒントが得られますよ。
アキレス腱の役割と負担がかかる理由
そもそもアキレス腱とは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)と踵の骨をつなぐ腱のこと。
地面を蹴り出すときに大きな力を発揮します。
ランニングでは、この蹴り出し動作がくり返されるため、ダメージを受けやすいのです。
たとえばクッション性の低い靴や固い路面では、その衝撃がさらに増しますね。
このようにアキレス腱はランニングのたびに酷使されるため、日頃のケアやフォーム調整が重要なのです。
よくある痛みの理由3つ(使いすぎ・柔軟性低下・フォーム不良)
アキレス腱の痛みが起こる理由は、主に3つあります。
- 使いすぎ(オーバーユース):走行距離やスピードの増加
- 柔軟性低下:ふくらはぎの硬さ
- フォーム不良:踵からの着地が強すぎる
「走りすぎ」「筋肉の硬さ」「姿勢の崩れ」この3つを見直すだけでも、痛みの予防と軽減に大きくつながります。
慢性化のサインとは?
慢性化のサインは以下のとおりです。
- 朝の一歩目で強い痛みを感じる
- 押すとズーンと響くような鈍痛がある
- 走り始めより、走った後のほうが痛い
アキレス腱は血流が乏しいため、一度ダメージを受けると治りにくいことで知られています。
そのため、おなじ場所にくり返し炎症が起こる慢性腱炎になるリスクが高いです。
痛みの頻度や質に注意し、早めの対策をしていきいましょう。
ランナーがやりがちなアキレス腱の痛みを引き起こすNG習慣

ランナーの中には、無意識にアキレス腱へ負担をかける習慣を続けてしまっている方が多くいます。
そこでこの章では、見落としがちなNG習慣を取り上げ、痛みを予防・軽減するために避けるべき行動を紹介します。
- 準備運動不足・無理な走行距離
- 合わないシューズや硬い路面の影響
- フォームの崩れが引き起こす負荷集中
準備運動不足・無理な走行距離
ウォーミングアップ不足や走行距離を過剰に延ばすことは、アキレス腱を傷める大きな原因です。
なぜなら筋肉や腱は、温まっていない状態では柔軟性が低く、衝撃を受けた際に損傷しやすくなります。
また、週あたりの走行距離が一気に増えると、腱が回復する前にくり返し負荷がかかり、炎症の原因となります。
ランニング前後のウォーミングアップとクールダウンは、面倒でも絶対に外せません。
走行距離を増やすときは、1週間で10%以内を意識してみましょう。
合わないシューズや硬い路面の影響
足に合わないシューズや硬い路面でのランニングは、アキレス腱に強い負担をかけてしまいます。
クッション性が低かったり、踵が高すぎたりするシューズは、走行時の衝撃を腱に集中させてしまうのです。
またコンクリートなどの硬い路面では、地面からの反発力が強く、負担が大きくなります。
シューズ選びはケガ予防の第一歩。専門店で足の形をチェックし、自分に合った一足を選びましょう。
フォームの崩れが引き起こす負荷集中
正しくないランニングフォームは、アキレス腱に負荷を集中させ、炎症の原因になります。
とくにつま先だけでの着地や、身体が前傾しすぎているフォームは、ふくらはぎとアキレス腱に過剰な力をかけます。
実際にリハビリ現場でも、足首の可動域が狭く、つま先着地が強い方にアキレス腱痛が多く見られます。
間違った走り方は身体への影響が大きいもの。専門家の指導を受けながら、フォームを見直しましょう。
ランニングを続けながらできるアキレス腱ケア

「走るのはやめたくない。でも、アキレス腱が痛む…」そんな方に向けて、ランニングを中断せずに取り入れられるセルフケア方法を紹介します。
- クールダウンとストレッチの重要性
- 痛みがあるときのランニング継続判断
- 市販サポーターやテーピングの活用方法
- 自宅でできるアイシングとマッサージ方法
ランニング後のクールダウンとストレッチの重要性
ランニング後のクールダウンとストレッチは、アキレス腱の負担軽減と回復に欠かせません。
なぜならクールダウンによって、心拍数と体温を緩やかに戻しつつ、ストレッチで筋の緊張を和らげることができるからです。結果として腱へのダメージを最小限に抑えることができます。
走り終わったらすぐシャワーではなく、まずは5分の歩行とストレッチ。これがアキレス腱トラブルを防ぐ第一歩です。
痛みがあるときのランニング継続判断
痛みの程度に応じて、ランニングの継続・中止を見極めることが重要です。
- 軽い張りや違和感→ストレッチやアイシングで対応可能
- 歩行時に痛み、腫れ・熱感がある→運動を中止し、安静を優先
とくに「朝一番に痛みが強い場合」は、腱の損傷が進行している可能性が高く、休養が必要です。
走りたい気持ちよりも、身体の声を優先することが、長く走り続けるためのコツです。
市販サポーターやテーピングの活用方法
サポーターやテーピングは、痛みの軽減と予防に有効なアイテムです。
なぜなら適切な位置に圧迫を加えることで、アキレス腱の動きを制限し、負担を軽減できるからです。
とくに運動中や運動後の使用により、炎症の進行を抑えることができます。
痛みが出てきたら我慢せず、まずは補助ツールを試してみましょう。
正しく使えば、快適なランニング生活を取り戻せます。
自宅でできるアイシングとマッサージ方法
痛みがあるときは、「冷やす+ほぐす」で早期回復をめざしましょう。
アイシングは炎症を抑え、マッサージは血行を促進して修復を助けてくれます。
とくに運動後30分以内に冷却すると、痛みの長期化を防ぎやすくなります。
- アイシング:ビニール袋に氷と少量の水を入れ、患部にタオル越しで10〜15分当てる
- マッサージ:手のひらでふくらはぎからアキレス腱をやさしくさすり上げる
ちなみにアイシングは1日に2〜3回まで。長時間の冷却は逆効果なので注意しましょう。
整形外科での診断とリハビリで早期回復を

「セルフケアだけでは不安…」「痛みがなかなか引かない…」そんなときこそ、整形外科での専門的な診断とリハビリが大きな助けになります。
この章では、受診すべきタイミング、理学療法士による具体的なサポート内容、そして岡山市北区にある当クリニックでの対応を紹介します。
自己判断に頼らず、専門家の手で早期回復をめざしましょう。
自己流ケアで限界を感じたら受診を
セルフケアで改善しない場合や痛みが強くなってきたら、整形外科を受診すべきです。
アキレス腱の痛みには「アキレス腱炎」「滑液包炎」「部分断裂」など複数の疾患があり、見た目では判断がつきません。
そのようなときに有効なのが、エコーによる検査です。患部の状態を見える化できる特徴があります。
当院でもエコー評価をおこなっており、腱の肥厚・血流増加・内部の線維構造の乱れなどを正確に把握することが可能です。
理学療法士による指導で改善率アップ
理学療法士によるリハビリは、アキレス腱の回復を飛躍的に高めます。
なぜなら個々の動作分析にもとづいて、柔軟性や筋力の偏りを修正し、炎症のある腱への負荷をコントロールできるからです。
最近では、関節を動かさず筋肉に力を入れる等尺性収縮(アイソメトリックトレーニング)を活用した初期リハビリが注目されています。
疼痛を抑えながら、血流や腱の代謝を促進することが期待されているのです。
また、運動負荷を段階的に調整するロードオフ戦略も有効です。
治すだけでなく、再発を防ぐ理学療法を。最新のエビデンスを取り入れたアプローチで、着実に走る力を取り戻せます。
岡山市北区の整形外科クリニックで受けられる対応
岡山市北区にある当院「あおき整形リハビリクリニック」では、アキレス腱の痛みに対してトータルでサポートが可能です。
エコーを用いた正確な診断、理学療法士による運動療法、電気治療や温熱療法など、多角的なアプローチを組み合わせています。
あなたの「走りたい!」をサポートするのが、当院の使命です。お気軽にご相談ください。

アキレス腱炎に関してよくある質問

アキレス腱炎でお悩みのランナーや陸上部員からは、「走っても大丈夫?」「どのくらいで治るの?」「サポーターは必要?」など、多くの質問が寄せられます。
とくに痛みが出始めたばかりの方は、自己判断が難しく、不安を抱えながら日々の運動を続けているケースが少なくありません。
そこでこの章では、実際に患者さまからよく寄せられる質問を中心に、現役の整形外科医と理学療法士がていねいにお答えします。
走りながら治すことはできる?
軽度のアキレス腱炎であれば、適切なケアをすれば走ることも可能です。
走行距離や頻度を抑えながら、アイシング・ストレッチ・フォーム修正などを取り入れてみましょう。
当院でも「走りながら治したい!」という市民ランナーに対し、段階的な運動調整とリハビリ計画を提案しています。
ただし、炎症が強い場合は中止が必要です。痛みが増してきたら、すぐに専門医に相談してくださいね。
サポーターはいつまで着ければいいの?
サポーターを着ける目安は、「痛みが出ない範囲での運動ができるようになるまで」です。
とくに急性期に有効で、歩行や軽い運動時に装着することで回復が促進されます。
一方、痛みが和らぎ、日常生活に支障がなくなってきた段階で、徐々に装着時間を減らすのが理想です。
いつ外すか不安なときは、理学療法士の指導を受けながら段階的に調整するのがベストです。
まとめ:アキレス腱の痛みを防ぎ、楽しく走り続けるために

アキレス腱の痛みは、ランニングを楽しむうえで避けて通れないトラブルのひとつです。
しかし、その多くは日常のちょっとした習慣や走り方のクセ、シューズの選び方によって起こるものです。
だからこそ、早めの対策と正しい知識が何よりも大切。「少し痛むけど、走れるから大丈夫」と自己判断せず、必要なときには専門的な診断とリハビリを受けることが、長く快適に走るためのカギになります。
岡山市北区にある当院「あおき整形リハビリクリニック」では、理学療法士による丁寧なリハビリ指導と、エコーを活用した正確な診断体制を整えています。
「もう走れないかもしれない…」そんな不安を「また走れる!」に変えるサポートをいたします。
アキレス腱の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
