「バレエで足の甲がズキズキ…でも練習は休めない」そんな悩み、抱えていませんか?
足の甲の痛みを我慢して踊り続けると、疲労骨折や三角骨障害など、重症化するリスクがあります。
でも安心してください。この記事では、痛みの原因と対処法を整形外科医がわかりやすく解説します。
正しい知識とケアで、バレエライフを楽しんでいきましょう!
足の甲が痛くなるのはなぜ?バレエ特有の原因とは

バレエにはつま先を伸ばしたり、体重を前にかけたりする独特な動きが多くあります。
そのため足の甲には、日常生活では考えられないほどの負担がかかるのです。正しい知識を持っていないと、知らないうちにケガにつながることも。
この章では、足の甲が痛くなる代表的な原因を解説します。
- バレエ特有の動きと足への負担
- 痛みが出る場所別の症状の傾向
バレエ特有の動きと足への負担
足の甲が痛くなるのは、バレエ特有の動きによる負担が大きいからです。
たとえばポワントやルルヴェなどの動きでは、足の甲や足首に大きな力が集中し、足部にかかる負荷は通常の3〜4倍になることも。
そのためくり返しポワントで立つ練習をしていると、足の甲の筋肉や骨に細かいダメージが蓄積してしまいます。結果として、それが痛みとして表れてくるのです。
痛みが出る場所別の症状の傾向
痛む場所によって、疑われるケガや障害は異なります。
- 足の甲の中央が痛む→疲労骨折の可能性
- 足首の少し後ろ側が痛む→三角骨障害の可能性
痛みの出方は人それぞれですが、「どこが」「いつ」「どんなふうに」痛むかを観察することが、早期発見と早期対処につながります。
足の甲の痛みはケガのサイン?疲労骨折・三角骨障害を見極めよう

足の甲の痛みは、「ちょっと疲れただけ」と思いがちですが、放っておくと疲労骨折や三角骨障害などの深刻な問題に発展することがあります。
この章ではそれぞれの特徴や見逃しやすいサイン、無理に練習を続けるリスクについてお話しします。
- 疲労骨折の初期症状と見逃しやすいサイン
- 三角骨障害とは?バレエとの関連性
- 我慢して練習を続けるリスク
疲労骨折の初期症状と見逃しやすいサイン
疲労骨折とは、骨にくり返し負荷がかかることで起こる、細かい骨のひび割れです。
足の中足骨(足の甲の中央付近)に起こりやすく、若年女性アスリートに多いと報告されています。
初期症状は「押すと痛い」「運動中だけ痛む」くらいですが、放置すると安静時にもズキズキ痛むようになり、最悪の場合は完全骨折につながることもあります。
違和感を感じた時点で、整形外科を受診することが大切です。
三角骨障害とは?バレエとの関連性
足首の奥が痛いなら、三角骨障害の疑いがあります。
三角骨障害とは、足首の後ろにある三角骨と呼ばれる小さな骨が、動作のたびに骨や靭帯に当たり、痛みや炎症を起こす症状です。
とくにポワントの動きで起こりやすいとされます。
実際にバレエダンサーが、ポワントで立つたびに足首の奥が痛くなるという症状を訴え、検査で三角骨障害が見つかるというケースがあります。
「ただの筋肉痛かな?」と思わず、早めの受診が重要ですよ。
我慢して練習を続けるリスク
成長期の骨や関節は、まだ完全にはでき上がっていません。
そのため無理をすると痛みが慢性化し、将来的にバレエを続けられなくなる恐れもあります。
「ガマンは美徳」と言われがちですが、医学的には痛みは身体からの大切なサイン。
特にバレエのように同じ動きをくり返すスポーツでは、小さな異変が大きな障害につながることもあるのです。
つらいときは休む勇気を持ちましょう。身体は一生モノですからね。
足の甲の痛みを引き起こす靴と身体の使い方のクセ

足の甲の痛みには、トウシューズなどの靴の影響や、無意識の身体の使い方のクセも深く関わっています。
間違ったフォームや合わない靴を使い続けることで、痛みが慢性化することも少なくありません。
この章では、痛みの原因となる摩擦や使い方の問題点を見つけ、改善のヒントをお届けします。
- トウシューズによる摩擦と圧迫の影響
- 足首や甲の使い方に潜むクセと負担
- 痛みを防ぐ靴の選び方と使い方の工夫
トウシューズによる摩擦と圧迫の影響
バレエ特有のトウシューズは、足先をしっかり固定し、つま先で体重を支える構造になっています。
そのため、靴の硬い部分が甲や足の指に強く当たり、摩擦や圧迫が起こりやすいのです。
実際に、バレエ経験者の多くが「靴ずれ」や「爪下血腫(黒く内出血した爪)」を経験しているという調査もあります。
サイズやフィット感に注意し、テーピングやインソールを活用することも検討してみましょう。
足首や甲の使い方に潜むクセと負担
甲を無理に出そうとして、足首を過剰に曲げるクセや、体重を外側や内側にかけてしまう立ち方は、足の特定の部位に負担を集中させてしまいます。
これはオーバーユース(使いすぎ)障害と呼ばれ、特に成長期のダンサーに多く見られます。
たとえば、つま先を外側に過剰に開いて立つクセがある高校生のダンサーが、足の甲の外側にピリピリした痛みを訴え、実際に局所の炎症が確認されたケースがあります。
日頃から鏡でフォームを確認したり、専門家に見てもらうことが大切です。
痛みを防ぐ靴の選び方と使い方の工夫
トウシューズは道具ではなく、身体の一部を守る靴と考えましょう。
選ぶとき・使うときは、以下のことに注意してください。
- つま先がしっかり収まっていること
- 甲や土踏まずのカーブが足にぴったり合っていること
- ボックスの高さや幅、シャンクの硬さが自分の筋力やレベルに適していること
- リボンやゴムは強く締めすぎず、正しい位置・角度で結ぶことで、血行不良や靴擦れを防ぐこと
痛みが出たらどうする?整形外科の受診タイミングと診察内容

バレエを続けるなかで、痛みを感じたときに「すぐ休むべき?」「病院に行くべき?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
適切な対処が遅れると、症状が悪化してしまうこともあります。
この章では痛みが出たときの判断基準や、整形外科での検査、リハビリの重要性について解説します。
- 安静だけではダメ?適切な判断基準
- 整形外科で受けられる検査と診断
- 整形外科と連携したリハビリの重要性
安静だけではダメ?適切な判断基準
痛みが3日以上続くなら、医療機関の受診を検討しましょう。
「少し休めば治る」と自己判断してしまう方も多いですが、実はそれが悪化の原因になることもあります。
とくにバレエでは同じ動作をくり返すため、安静にしても原因が改善しなければ、再発しやすいのです。
ほかにも「運動中に繰り返す痛み」「押して痛い」「腫れがある」などの症状があれば、早めに受診しましょう。
自己判断せず、医師の診断を受けることが、回復と再発予防の近道です。
整形外科で受けられる検査と診断
痛みの原因を明確にするには、専門的な検査が欠かせません。
整形外科ではまず問診と視診をおこない、必要に応じて以下の検査をします。
- X線検査(レントゲン):骨の異常や骨折を確認
- MRI検査:靱帯や骨の内部の微細な損傷を詳しく見る
- 超音波検査:腫れや炎症の状態をチェック
たとえば、疲労骨折の初期段階はレントゲンに写らないこともあり、MRIが診断の決め手になることが多いです。
整形外科と連携したリハビリの重要性
再発を防ぐには、専門的なリハビリが欠かせません。
なぜなら痛みが治まったとしても、根本的な使い方の問題が残っていれば、また同じ場所に負担がかかってしまうからです。
そのため多くの整形外科では、リハビリスタッフと連携して、再発予防とパフォーマンス向上をめざしたトレーニングを提供しています。
具体的には、足のアライメントを整える運動や、足部の筋力を高めるトレーニングなどです。
「痛みがなくなって終わり」ではなく、「痛くならない身体をつくる」ことが大切なのです。
再発予防とパフォーマンス向上のためにできること

足の甲の痛みを一度経験すると、「また痛くなるのでは?」という不安を抱く方も多いですよね。
実は適切なトレーニングや身体の使い方を見直すことで、痛みの再発は予防できます。
この章では、バレエを長く楽しむために必要な身体づくりのポイントをお伝えします。
- バレエに特化したリハビリトレーニング
- 柔軟性と筋力のバランスを整える
- 正しい身体の使い方を学ぶ意義
バレエに特化したリハビリトレーニング
一般的なリハビリでは、「日常生活に戻ること」が目標ですが、バレエの場合は「踊れる身体に戻ること」が目標になります。
そのためには、バレエの動作や特性を理解した専門的なリハビリが必要です。
たとえば、トウシューズでのポワントを安全に行うための足底筋群の強化や、足関節の安定性を高めるトレーニングが効果的です。
バレエに寄り添ったリハビリこそが、安心して舞台に立ち続ける力になります。
柔軟性と筋力のバランスを整える
バレエでは柔軟性ばかりが重視されがちですが、実はそれだけでは不十分。
関節をしっかり支えるためのインナーマッスル(深層筋)が弱いと、身体がブレやすくなり、足の甲に過剰な負担がかかります。
たとえば、開脚やアラベスクのような動きは、股関節の柔軟性と体幹の筋力がセットで機能して初めて、美しく安定した形になります。
しなやかで強い身体をめざすことが、ケガの予防と美しい踊りの土台になります。
正しい身体の使い方を学ぶ意義
「がんばっているのにうまくならない…」という悩みの裏には、実は身体の使い方の誤りが隠れていることもあります。
たとえば、プリエやルルヴェで体重のかけ方が偏っていると、足の甲だけでなく膝や腰にも負担がかかります。
最近では、動画撮影によるフォーム確認や、モーションセンサーを使った評価なども取り入れられています。
「知って動く」と「感覚で動く」では、結果が大きく変わります。
学んだぶんだけ、踊りにも自信がつきますよ。
バレエ中の足の痛みに関してよくある質問(FAQ)

バレエを続けるなかで、足の甲や足首に痛みを感じることは珍しくありません。
とくに成長期のダンサーや、発表会前に練習量が増えているタイミングでは、「この痛み、休むべき?」「病院に行ったほうがいいの?」といった不安の声を多く聞きます。
そこでこの章では、患者さまから実際によく寄せられる質問をもとに、整形外科医の視点かお答えしていきます。
三角骨障害って手術しないと治らないんですか?
必ずしも手術になるとは限りません。
三角骨障害の初期であれば、安静・物理療法・リハビリなどの保存療法で改善するケースが多数あります。
どうしても痛みが取れない場合には、手術を検討することもあります。
バレエ中に足の甲が痛くなったら、すぐに休んだほうがいいですか?
はい、痛みが出た時点で一度練習を中止しましょう。
なぜなら足の甲の痛みは、疲労骨折や三角骨障害などのケガの前兆である可能性があるからです。
無理をせず、まずは整形外科を受診し、原因を明確にすることがケガの予防につながります。
岡山市でバレエのケガに対応できる整形外科クリニックとは?

バレエ特有の動きやケガを理解してくれる医療機関を選ぶことは、適切な治療や再発防止に直結します。
この章では、岡山市北区にある当院「あおき整形リハビリクリニック」の特徴やリハビリ体制、受診の流れをご紹介します。

あおき整形リハビリクリニックの特徴
岡山市北区久米にある当院「あおき整形リハビリクリニック」は、バレエによる足の痛みに対応できる整形外科のひとつです。
成長期の子どもや中高生のスポーツ障害に力を入れており、総合的な対応が可能です。
たとえば、以下のような特徴があります。
- 足や足首、膝などの下肢トラブルに特化した診察
- 最新の画像診断機器(超音波)の活用
- 理学療法士による運動指導と日常生活のアドバイス
「早期発見・早期対応・再発予防」をモットーに、ダンサーの将来を見据えた治療を実践しています。
バレエ経験に理解のあるリハビリ体制
あおき整形リハビリクリニックでは、バレエやダンス指導に理解のある理学療法士が在籍しています。
動きの特性を理解したうえで、筋肉の使い方や身体のクセを評価し、それに基づいたトレーニングを提案しています。
たとえば、以下のように現場目線でのリハビリ支援が可能です。
- ポワントに必要な筋力と柔軟性のチェック
- ルルヴェで痛みが出るときのフォーム分析
- 発表会に向けた身体のコンディショニング
見た目ではなく、動きの質を改善することを大切にしています。
まとめ:バレエによる足の甲の痛みと正しく向き合うために

バレエは美しさの裏に、高い身体能力と繊細なコントロールが求められる運動です。
なかでも足の甲は、つま先立ちやジャンプなど多くの動作で酷使され、知らず知らずのうちに大きな負担がかかっています。
その痛みを「仕方ない」「そのうち治る」と我慢してしまうと、疲労骨折や三角骨障害といった重大な障害につながることも。
だからこそ、早めの受診が大切です。
岡山市北区にある当院「あおき整形リハビリクリニック」では、バレエ特有のケガや痛みに理解のあるスタッフが、一人ひとりの症状と目標に合わせたサポートをおこなっています。
「また気持ちよく踊りたい」「発表会までに間に合わせたい」そんな思いを、私たちは全力で応援します。
足の甲の痛みでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたが舞台に立つ未来を、私たちが一緒に支えます。
