医療コラム

後十字靭帯損傷のテストを徹底解説!

「膝の痛みや違和感があるけれど、原因がわからない…」それはひょっとすると、後十字靭帯損傷の可能性があります。

後十字靭帯損傷は軽い症状でも見逃すと後々悪化します。

この記事では、後十字靭帯損傷の基礎知識からご自宅でもできるテスト、治療法までを整形外科医がわかりやすく解説します。

早期発見と適切な対応で、膝の健康を守りましょう。

後十字靭帯損傷とは?テストを受ける前に知っておきたい基礎知識

後十字靭帯は、膝の安定性を保つ重要な靭帯です。

スポーツや事故で損傷することがあり、放置すると膝の不安定感や痛みが続くことも。

この章では、以下のことを解説します。

  • 後十字靭帯の役割
  • 損傷しやすいシチュエーション
  • 前十字靭帯との違い
  • 主な症状と見逃しやすいサイン

後十字靭帯の役割

これにより膝関節の安定性が保たれ、日常生活やスポーツ活動がスムーズに行えます。

たとえば、階段を下りるときや坂道を歩くとき、後十字靭帯が正常に機能していれば、膝がしっかりと支えられ、スムーズな動作が可能です。

後十字靭帯は、膝の安定性を保つために欠かせない靭帯であり、日常生活の動作を支えています。

損傷しやすいシチュエーション

たとえば交通事故で膝をダッシュボードにぶつけた場合や、スポーツで転倒して膝を強打した場合などが該当します。

後十字靭帯は特定の状況で損傷しやすいため、注意が必要です。

前十字靭帯との違い

後十字靭帯と前十字靭帯はともに膝の安定性に関与する靭帯ですが、役割が異なります。

  • 前十字靭帯:脛骨の前方への動きを制限
  • 後十字靭帯:脛骨の後方への動きを制限

受傷のきっかけも違います。

前十字靭帯損傷はジャンプや急な方向転換で起こりやすく、後十字靭帯損傷は膝への直接的な衝撃で起こりやすいですね。

主な症状と見逃しやすいサイン

そのため、日常生活に支障が出にくく、損傷に気づかないことがあります。

日常生活で起きやすい支障は、以下のようなものがあります。

  • 長時間歩いた後に膝の後ろに違和感を感じる
  • 階段を下りるときに膝が抜けるような感覚がある

後十字靭帯損傷は見逃されやすいため、注意が必要です。

後十字靭帯損傷の診断で行われる代表的なテスト

後十字靭帯損傷の診断には、徒手的なテストが用いられます。

この章では、代表的なテストである後方引き出しテスト、サギングサインについて解説します。

これらのテストを理解することで、早期発見や適切な治療につながります。

後方引き出しテスト(PosteriorDrawerTest)とは

このテストは、患者さまが仰向けに寝た状態で膝を90度に曲げ、脛骨を後方に押し込んだときに脛骨が後方に大きく動いたら、後十字靭帯の損傷が疑われます。

後方引き出しテストは、後十字靭帯損傷の有無を評価するために有効な検査法です。

サギングサイン(PosteriorSagSign)とは

患者さまが仰向けに寝た状態で膝を90度に曲げると、脛骨の上端が健側とくらべて後方に落ち込んで見える場合、サギングサイン陽性と判断されます。

画像検査も重要!後十字靭帯損傷の確定診断プロセス

そこで重要になるのが、画像検査です。X線やMRI、ストレス撮影などを組み合わせることで、より正確な診断が可能になります。

この章では、画像検査の特徴や役割について詳しく解説します。

  • X線とMRIの違いと役割
  • ストレス撮影で見る膝の不安定性

X線とMRIの違いと役割

X線とMRIは、それぞれ異なる情報を提供するため、組み合わせて使うことで後十字靭帯損傷の診断精度が向上します。

  • X線:骨の異常(骨折や骨のアライメント)の確認が得意
  • MRI:靭帯の損傷状態や合併損傷(半月板損傷、骨挫傷など)の確認が得意

両方を適切に活用することで、後十字靭帯損傷の見逃しを防ぎ、的確な治療方針の決定につながります。

ストレス撮影で見る膝の不安定性

ストレス撮影は、膝に外力をかけた状態でのX線画像を撮影することで、膝の不安定性を可視化できる方法です。

通常のX線撮影では見えにくい膝の動的な異常を、ストレスを加えることで明らかにします。

特に後十字靭帯損傷では、脛骨が後方へどの程度ずれるかを確認でき、そのズレの量が手術適応の判断材料になります。


ストレス撮影は、後十字靭帯損傷の不安定性を数値で評価するうえで非常に有効です。他の検査と併用することで、より正確な診断が可能になります。

後十字靭帯損傷が疑われた場合の次のステップ

後十字靭帯損傷が疑われた場合、診断結果をもとに治療方針を決定していくことになります。

放置すると将来的な膝の不安定性や変形性関節症のリスクも高まるため、早めに適切な処置を選ぶことが大切です。

この章では、保存療法と手術療法の選択基準、そして受診のタイミングについて詳しくお伝えします。

保存療法と手術療法の選択基準

  • 部分損傷や軽度の不安定性:装具の使用やリハビリによる保存療法で十分な回復が見込める
  • 完全断裂や他の靭帯との合併損傷がある場合:手術が推奨されることが多くなる

特にアスリートや肉体労働に従事する方は、手術を選ぶ傾向があります。

後十字靭帯損傷の治療法は一律ではありません。生活の質(QOL)を考慮し、適切な治療法を選ぶことが重要です。

受診のタイミングはいつがベスト?

膝に強い衝撃を受けたり、違和感が続く場合は、早めの受診がベストです。

くり返しになりますが、後十字靭帯損傷は、症状が軽いため放置されがちです。

しかし早期に診断・治療することで膝の機能低下を防げます。

「少し痛いだけ」と軽視せず、違和感がある時点で受診しましょう。早めの判断が将来の膝の健康を左右します。

後十字靭帯損傷からの回復とリハビリの進め方

後十字靭帯損傷の治療が始まったあとは、しっかりとしたリハビリが回復の鍵になります。

正しいリハビリを継続することで膝の安定性を取り戻し、スポーツ復帰も可能になります。

この章では、リハビリの流れや安定性向上のための重要なポイントを詳しく解説します。

  • スポーツ復帰までの流れ
  • 膝の安定性を高めるリハビリのポイント

スポーツ復帰までの流れ

なぜなら急な運動再開は、再損傷のリスクが高くなるからです。

筋力や可動域、バランス機能をしっかりと回復させたうえで、少しずつ負荷を高めていくことが大切です。

医師や理学療法士による評価を受けながら進めることで、安全に競技復帰が可能になるでしょう。

膝の安定性を高めるリハビリのポイント

大腿四頭筋は、脛骨が後方にズレるのを防ぐ役割を持ち、後十字靭帯損傷後の代償機能としてとても重要です。

また、膝の動きを補う姿勢や荷重のかけ方を身につけることで、日常生活でも膝を守ることができます。

このようにリハビリでは、大腿四頭筋の強化を軸に、機能的な動作を習得することが後十字靭帯損傷からの完全回復につながります。

岡山で後十字靭帯の治療が受けられる整形外科

後十字靭帯損傷は、専門的な知識と経験を持つ整形外科での診断と治療が重要です。

この章では、後十字靭帯損傷に強いクリニックの選び方と、当院「あおき整形リハビリクリニック」の特徴をご紹介します。

後十字靭帯損傷に強いクリニックの選び方

膝関節にくわしい整形外科医が在籍し、MRIなどの画像検査や機能評価、理学療法士によるリハビリまで一貫して対応してくれる施設が望ましいです。

専門的な知識と設備が整ったクリニックを選ぶことで、後十字靭帯損傷の見逃しを防ぎ、よりよい回復が見込めます。

あおき整形リハビリクリニックの診療特徴

岡山市北区にある当院「あおき整形リハビリクリニック」は、膝関節の専門的な診療と充実したリハビリ環境を兼ね備えた整形外科です。

必要があれば、MRI撮影を提携先の病院にすみやかに依頼し、後十字靭帯損傷を含む膝の不安定性評価を行えます。

部活動生や社会人の方が来院しやすいように、Webでの診察予約も受け付けています。

膝の不安定感がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ:後十字靭帯損傷のテストは早期発見の第一歩

後十字靭帯損傷は、痛みや腫れが軽度なことが多く、見逃されやすいケガのひとつです。

しかし放置してしまうと、将来的に膝の不安定感が続き、変形性関節症へと進行するリスクもあります。

徒手検査(後方引き出しテスト、サギングサイン)をとおして異常を早期に察知し、MRIやストレス撮影などの画像検査を組み合わせることで、損傷の有無や重症度を的確に判断することが可能です。

そして診断後は、理学療法士と二人三脚でリハビリに取り組むことが、再発防止と機能回復の近道になります。

岡山市内で整形外科を探している方には、ぜひ当院「あおき整形リハビリクリニック」をご検討ください。たしかな診断力と充実したリハビリ体制で、後十字靭帯損傷の回復を力強くサポートします。

あおき整形外科クリニックの診察時間と診療日の情報

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