BMIが正常でも「膝や腰が痛い…」と感じる方は、実は隠れ肥満かもしれません。
体重や見た目では分からない体脂肪と筋肉のバランスの乱れが、痛みの原因になることも。
この記事ではBMIでは見抜けない隠れ肥満の見分け方と、膝・腰の不調との関係、そして体組成の分析機器を活用した改善法をご紹介します。
BMIでは分からない隠れ肥満とは?

健康診断でよく見かける「BMI(体格指数)」は、身長と体重の比率から体格を評価するシンプルな指標です。
しかしBMIだけでは、筋肉と脂肪のバランスまでは分かりません。
たとえばBMIがおなじ22の人でも、筋肉がしっかりある人と脂肪が多い人では、身体の中身(体組成)がまったく異なるのです。
BMIの結果だけでは、身体の状況を判断できないんですよね。
体重が軽くても脂肪が多い人がいる理由

「体重はそんなにないのに、ぽっちゃりして見える」「お腹まわりが気になる」…これは隠れ肥満の典型例です。
上記の症状は筋肉が少なく、脂肪が多い状態を示しています。
筋肉量が減ると基礎代謝も落ち、脂肪がつきやすくなります。結果として身体のバランスも崩れていくんですよね。
特に中高年以降になると、加齢とともに筋肉量が自然と減っていくため、筋肉が減って脂肪が増える負のスパイラルに陥りやすくなります。
見た目だけでなく、膝や腰のトラブルの原因にもなりえるので注意が必要でしょう。
膝痛・腰痛と体脂肪の深い関係

膝や腰への負担は体重だけでなく、脂肪の付き方や筋肉量のバランスにも大きく左右されます。
体脂肪が多く筋肉が少ないと姿勢が悪くなったり、歩行バランスが崩れたりして、痛みを引き起こしやすくなるのです。
最近の研究では、体脂肪(特に内臓脂肪)が分泌する炎症性サイトカインが、慢性炎症や関節の痛みを悪化させる可能性があることもわかってきています。
つまり、脂肪そのものが痛みの火種になっているかもしれないということ。
また筋肉が衰えると関節を安定させる力が弱くなり、負担が集中しやすくなります。
特に膝や腰は、日常的に体重を支える部位。「筋力の低下+体脂肪増加」は、まさに痛みを引き起こすダブルパンチといえるでしょう。
InBodyで身体の状況を見える化しよう

当院では体成分分析装置「InBody」を導入しています。
これは、筋肉量・体脂肪量などを部位別に数値化できる高精度な測定機器です。
「太りすぎと言われてもピンとこない…」「本当に痩せる必要あるの?」という方も、InBodyの結果を見れば一目瞭然。
部位ごとに客観的データを見ることで、「これは対策しなきゃ!」と納得感をもって改善に向かえるようになるでしょう。
「痩せろ!」と無理やり言われるのではなく、「自分で改善したい!」と思えるようになるのが、InBody最大の魅力です。
理想的な体組成の目標設定のポイントと対策
当院では「体脂肪率25%以上」かつ「筋肉量が基準値以下」の方に対して、減量ではなく、体組成の改善を目標に指導をおこなっています。
まずは「体脂肪率を基準値まで下げる」こと、そして「筋肉量を維持または少し増やす」ことをめざすのです。
たとえば運動療法では、痛みがある方でもできる簡単な運動メニューをご用意しています。関節に負担をかけずに筋力を少しずつ取り戻すことで、症状改善に繋がります。
中長期的に続けられる食事習慣も一緒に考えていくのでご安心ください。
実際の指導事例とInBodyデータの活用法

InBody測定で体脂肪率が多く・筋肉量やや低下という結果が出た70代の患者さん。膝に痛みがあり、歩行も不安定でした。
InBody実施後、以下のことをお伝えいたしました。
- プロテイン摂取
- 食事内容の見直し
- 院内・ご自宅エクササイズの継続
その結果体脂肪が減り、膝の痛みも軽減しました。
その他にも「数字で変化が見えると、やる気が出る」「以前より身体が動きやすくなってきた」といった声を多くいただいています。
このようにInBodyは、見える成果が運動継続のエネルギー源になるのです。
当院ではInBodyの測定結果をもとに、医師またはスタッフが分かりやすく解説し、具体的な改善策までアドバイスします。
整形外科でInBodyの活用が進む理由

整形外科でInBodyの活用が進んでいる理由は主に3つあります。
- 慢性痛と体組成の関係が深いから
- 医師とリハビリ職の連携が取りやすいから
- 医療的な視点での適切なアドバイスが可能だから
InBodyは単なる健康チェックではなく、医療の現場で活かす測定機器として、整形外科と相性がとても良いのです。
また筋力トレーニングやリハビリをおこなう患者さまの進捗管理ツールとしても活用できます。
InBody測定を身体の定期点検として習慣化することで、健康意識や行動の継続がグッと上がるでしょう!
まとめ

BMIだけでは見えない隠れ肥満が、膝痛・腰痛の原因かもしれません。
InBodyを使えば、体脂肪率や筋肉量などをたった1分で見える化でき、納得感のある改善指導が可能です。
痛みの軽減、健康な身体づくりの第一歩として、InBody測定をぜひ一度受けてみてくださいね!
 
