柔軟性と可動性ときどきケガ予防
柔軟性
可動性
ケガ予防
言葉遊びのようですが、「柔軟性」と「可動性」の違いをご存知でしょうか?
似ている言葉ですが、その意味は異なります。
この2つの言葉の違いを理解することが、”ストレッチの実践”と”ケガ予防”に役立ちます。
柔軟性〜静的ストレッチ〜
何かの協力を得ながらでも動かせる関節の範囲
柔軟性は誰かに協力してもらったり、タオルなどで引っ張ると動かすことができる関節の範囲のことです。
つまり、普段みなさんが気にされている「身体が硬い」と同じ意味です。
可動性〜動的ストレッチ〜
自分の意思でコントロールできる関節の範囲
柔軟性は何か・誰かの助けがあったうえで身体が最大限に動く範囲のことでしたが、可動性の場合は何か・誰かの助けなしで自分の意思で動かすことができる関節の範囲のことです。
つまり、可動性は柔軟性の中にしか存在しません。
静的ストレッチとケガ予防
ケガ全般に対して静的ストレッチに予防効果があるとは言えませんが、”肉ばなれでは有効“の可能性があります
静的ストレッチをリラクゼーションや疲労回復、柔軟性改善の目的のためにしている人であれば問題ありません。ただ、スポーツのパフォーマンスを高めたい・ケガ予防を目的にされているのなら静的ストレッチについて1度考えてみる必要があります。
近年では、静的ストレッチにケガ予防の効果は薄いと考えられていますが、肉ばなれのように特定の筋肉の柔軟性の低さが原因の1つであることは明らかです。
肉ばなれが起こってしまう要因は、柔軟性低下・既往・筋力低下・運動の負荷量・休憩時間など多くのものがあります。
加えて、適切なウォーミングアップが予防に繋がる可能性は非常に高いです。
また、スポーツをする人にって、静的ストレッチで柔軟性だけを高め過ぎてしまうことにも問題があります。
柔軟性と可動性は違うということは既にお話した通りですが、柔軟性と可動性にあまりにもギャップがある場合はケガをしてしまう要因にもなりえます。
例えば、”誰かにぶつかった”、”つまずいた”、”ボールの上に足が乗って、強引に開脚姿勢になった”などのように自分の意思に反して身体が強制的に動いてしまったときに、ケガをしてしまうリスクがあります。
仮に強引に身体が動かされても可動性があれば、自分の意思で身体を立て直すことができます。しかし、柔軟性ばかり高めて可動性が小さかった場合には自分で自分の身体をコントロールすることができません。
このような理由から、静的ストレッチだけではケガ予防に効果的とは言えないのです。
柔軟性を高めた上で、可動性を高めることが大切です。
ケガ予防に絶対解はありません。ストレッチ・アイシング・睡眠・入浴・栄養など1人ひとりにあった最適解を見つけていくことが大切です。
次回最終章では、静的ストレッチを日々のセルフケアや運動前のウォーミングアップ場面で、どのように取り組んでいくのが良いか具体的にお話していきます♪
第4回ストレッチコラムはこれで終わりです。ご覧いただきありがとうございました。第5回ストレッチコラムは最終章、”ウォーミングアップとセルフケア“についてです。ぜひご覧ください✨
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