医療コラム

関節を守る整形外科式ダイエット法

「最近、膝や腰の痛みが気になってきた…」そんなあなたに知ってほしいのが、体重と関節の深い関係。

実は見た目以上に、身体の内側では重さが関節を傷つけているかもしれません。

そこで本記事では整形外科医の視点から、関節を守るためのダイエット法とその重要性をわかりやすく解説します。

整形外科的視点から見た「体重と関節の関係」

体重が増えると、見た目の変化だけでなく、下半身の関節にも大きな負担がかかります。

特に中高年になると筋力が落ちやすく、体重の影響を受けやすくなるんですよね。

この章では以下3つのテーマをとおして、整形外科的視点から見たダイエットの重要性をわかりやすく解説します。

  • 体重増加が膝・腰・股関節に与える影響
  • 関節痛と肥満の医学的エビデンス
  • 整形外科で語られる「予防医学としてのダイエット」

この記事を読むことで、体重管理が関節の痛みを防ぎ、健康的な生活を支える大きなカギであることに気づけるはずです。

体重増加が膝・腰・股関節に与える影響

実際、変形性膝関節症を患う多くの方は肥満を併発しており、体重コントロールが治療の鍵になります。

たとえば70代女性で膝痛に悩んでいた患者さまが、5kgの減量をきっかけに痛みが軽減し、杖なしで歩けるようになった例もあります。

わずかな体重増加でも関節に大きな負担がかかります。関節を守るためには、体重のコントロールが不可欠です。

関節痛と肥満の医学的エビデンス

肥満と関節痛には明確な因果関係があることが、数多くの研究で示されています。

これらの原因のひとつとして、体脂肪が増えると炎症性サイトカインが増加し、関節内の炎症を引き起こしやすくなることがあります。

つまり単なる「重さ」だけでなく、「内側からの炎症」も痛みの原因になるのです。

整形外科で語られる「予防医学としてのダイエット」

整形外科では関節を守るための予防として、ダイエットの重要性が強調されています。

整形外科は、単に痛みを治す場ではありません。再発を防ぎ、将来の手術を回避する予防医療の拠点でもあります。

当院でも予防的なリハビリプログラムをとおして、寝たきりや介護リスクを軽減する取り組みに努めています。

なぜ中高年層にこそ”整形外科的ダイエット”が必要なのか?

中高年になると、「若い頃と同じ生活をしていても太りやすい」「動くとすぐに関節が痛む」などの悩みが増えてきますよね。

これらは加齢に伴う自然な変化です。

しかし放っておくと、「動けない→太る→さらに動けない」という悪循環に陥ることも。

整形外科的な視点で見ると、このサイクルを断ち切ることが、健康寿命をのばすカギになります。

この章では、中高年特有の身体の変化と整形外科的ダイエットの重要性について、以下の3つのテーマで解説します。

  • 加齢とともに変化する筋肉・骨・代謝
  • 「動けない」がさらに痛みと肥満を悪化させる悪循環
  • 整形外科クリニックが気づかせてくれること

年齢に合った方法で、無理なく健康を保つヒントを一緒に見つけていきましょう。

加齢とともに変化する筋肉・骨・代謝

中高年になると、筋肉や骨が弱り、代謝も落ちるため、太りやすくなります。

さらに、基礎代謝も10年ごとに約2〜3%ずつ低下。

若い頃と同じ食事量・運動量では、体重を保てなくなるのが現実です。

また閉経後の女性は骨密度が急激に低下し、骨粗しょう症のリスクも高まります。

たとえば50代女性が筋トレと食事改善を始めたことで、半年で筋肉量を維持したまま体脂肪を4kg減らせた事例もあります。

整形外科ではこうした取り組みを、サルコペニア(加齢性筋肉減少)予防として重視しています。

中高年は、筋肉・骨・代謝が同時に変化する時期。整形外科的な視点での予防が欠かせません。

「動けない」がさらに痛みと肥満を悪化させる悪循環

膝や腰が痛いから動かない…その気持ち、よくわかります。

でもそのまま動かないでいると筋肉は衰え、代謝は落ち、体重がさらに増えるという負のスパイラルに陥ってしまいます。

実際に、整形外科の現場では「膝が痛くて運動できず太ってしまった」「体重が増えてさらに痛くなった」という患者さまがとても多いです。

このようなケースでは、まず「痛みを悪化させない範囲で動くこと」が重要になります。

整形外科クリニックが気づかせてくれること

整形外科は、ダイエットが必要な理由を身体の状態から教えてくれる場です。

つまり「意味のあるダイエット」ができるのです。

たとえば当院では、リハビリ評価の中で「筋力低下+肥満+バランス不良」の3点がそろった方に、個別の運動指導と栄養アドバイスを組み合わせたアプローチを提供し、実際に歩行能力の向上がみられたケースもあります。

整形外科は、気づきの場。自分の身体を知ることで、正しいダイエットの第一歩が踏み出せます。

関節への負担を減らすための安全なダイエット法

関節に痛みがあると、「動いて大丈夫かな?」と不安になりますよね。

でも体重を減らすことは、関節の痛みを和らげ、将来的な変形や手術のリスクを減らす大切な一歩です。

ただし、やみくもなダイエットは逆効果になることも。

この章では関節に負担をかけず、安全に体重を落とすための方法を以下3つのテーマで紹介します。

  • 無理なく始められる減量の目安と期間
  • 痛みを悪化させない運動の選び方(ウォーキング・水中運動など)
  • 筋肉を落とさず脂肪を減らすための食事の工夫

あなたに合った、関節にやさしいダイエットのヒントがきっと見つかりますよ。

無理なく始められる減量の目安と期間

実際に厚生労働省のガイドラインでも、1ヶ月に体重の3%以内の減量が安全であると示されています(参考:「肥満症診療ガイドライン2022」)。

反対に急激な体重減少は筋肉を失いやすく、関節の安定性を損なうリスクがあります。

特に中高年層は、筋肉の回復力が落ちているため、ゆっくりとした減量がよいでしょう。

急がずコツコツ。それが関節にやさしいダイエットです。

痛みを悪化させない運動の選び方(ウォーキング・水中運動など)

「運動=関節に負担…」と思われがちですが、正しい種目を選べば、むしろ関節痛の改善につながります。

  • ウォーキング(平坦な道):膝や股関節の負担が少なく、気軽に始めやすい。
  • 水中ウォーキングやアクアビクス:浮力で関節の負担を減らしつつ、しっかり運動できる。
  • 自転車エルゴメーター:座ってできる有酸素運動で、膝への負担が軽い。

運動は選び方が大切。痛みを悪化させない運動を知ることで、安心して続けられます。

筋肉を落とさず脂肪を減らすための食事の工夫

筋肉を守るには、たんぱく質中心のバランスの取れた食事がカギです。

たとえば70kgの方なら、70〜84gのたんぱく質が必要です。

例として、以下の食品でたんぱく質を補うと良いでしょう。

食品たんぱく質量(目安)
鶏むね肉(100g)約23g
卵(1個)約6g
納豆(1パック)約8g
ギリシャヨーグルト(100g)約10g

また間食にプロテインやゆで卵を取り入れることで、食事量を減らさずに脂肪を落とすことが可能です。

ダイエット中もたんぱく質を意識して、筋肉を守りながら脂肪を減らす工夫をしましょう。

整形外科でできる体重管理サポートとは

「ダイエットは自己管理」と思いがちです。

実は整形外科では、医療的根拠にもとづいたサポート付きの体重管理が可能なんです。

特に関節に痛みがある方や、持病を抱える方にとっては、医師やリハビリスタッフによる適切なサポートがダイエット成功のカギを握ります。

この章では、整形外科クリニックで受けられる具体的な体重管理支援について、以下3つの視点からご紹介します。

  • リハビリスタッフによる運動指導
  • 生活習慣のアドバイスとフォロー体制
  • 医師と一緒に目標設定する意義

一人では難しかったダイエットも、医療の力を借りればきっと続けられますよ。

リハビリスタッフによる運動指導

理学療法士による運動指導は、安全かつ効果的なダイエットの土台になります。

関節の状態や筋力を評価しながら、その人に合った運動プログラムを提供できるのが、整形外科の強みです。

リハビリスタッフ(理学療法士)は、痛みの程度や体力に応じて「無理なく」「継続できる」運動を指導します。

たとえば筋力が弱い方にはイスに座ってできる下肢筋トレなど、個別に調整されたメニューが提案できますね。

生活習慣のアドバイスとフォロー体制

ダイエットは、続けることがもっとも難しいもの。

整形外科クリニックでは、リハビリスタッフや看護師、管理栄養士(配置がある場合)など、多職種で患者さまを支える体制があります。

具体的には、食事内容の簡単なアドバイス、日常の動作改善、活動量を増やすコツなど、ちょっとした習慣の工夫が提案されます。

医師と一緒に目標設定する意義

整形外科では、医師が関節や骨の状態、持病(糖尿病や高血圧など)を踏まえて、安全な減量目標を一緒に設定してくれます。

医師の指導のもとで体重管理をおこなうと、「安心して取り組める」「医学的な裏付けがある」という安心感から継続率も高くなります。

また、経過を数値で見ながら軌道修正できるのも大きなメリットです。

あおき整形リハビリクリニックの強み

たとえば、年齢・体力・関節の状態に応じて個別に運動メニューを組み立てる「パーソナル・プログラム」をおこなっています。

内容はストレッチ・筋力トレーニング・バランス訓練・低負荷の有酸素運動など多岐にわたり、理学療法士が一人ひとりをしっかりサポートします。

またInbodyによる体組成測定を活用し、脂肪と筋肉のバランスまで評価できるので、身体の中の変化も記録として残せます。

たとえば、「食事制限が苦手な方」「BMIが高く運動だけでは効果が出にくい方」には、GLP-1治療をひとつの選択肢として紹介しています。

まとめ:整形外科的視点からのダイエットアプローチで関節を守る

ダイエットは見た目だけの問題ではなく、関節を守るための医療的アプローチでもあります。

特に中高年の方にとっては、体重管理が将来の痛みや手術、介護のリスクを防ぐ予防医療となるのです。

「これ以上悪くなる前に何か始めたい」そう思った今が、一歩を踏み出すチャンスです。

無理せず、でも確実に。整形外科的ダイエットで、動ける未来を一緒に守っていきましょう。

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