アイシング

vol.2 スポーツ現場とアイシング効果で期待すること

前回のコラムでは❶アイシングを行う目的とシチュエーション、❷アイシングのデメリットについてお話しました。

普段アイシングをする方にとっては印象にのこる内容になったと思います。

今回のコラムでは以下の内容をお伝えします。

  • 急性期のアイシングに期待すること
  • 急性期のアイシング方法

アイシングを行うシチュエーションは、急性期・セルフケア(コンディショニング)に分けることができますが、本コラムは特に急性期についてのお話です。

怪我をしたとき応急処置ができるように、アイシング方法を知りたい

このような想いのある選手・チーム関係者様・保護者様におすすめのコラムです。

スポーツ現場で起こりやすい怪我

足首のねんざ

打撲

❸骨折

ポーツ現場では、上にあげた3つの怪我がとても多いです。とはいえ“ねんざ・打撲=ケガ“という意識をもっている方は多くありません。むしろ、日常生活でもよく起こることなのでそのまま放置しているケースさえあります。

でもそのままの状態で放置していると、痛みがひかなかったり、競技復帰しても十分なパフォーマンスを出せないこともしばしばあります。

このように、「すぐ治ると思っていたのに痛みが長引く」シチュエーションはスポーツ現場に限ったことではなく、一般の方が日常でも遭遇しやすいシチュエーションです。

ここで、ねんざや打撲を別の言葉に置き換えたいと思います。

“靭帯断裂・損傷”

“裂離骨折”

“筋内血腫”

怖そうな言葉が並んでいますが、これらはねんざ・打撲の症状が重たいときに起こっている可能性がある病態です。

怪我した直後=急性期にするアイシングの効果

アイシングは1970年代に発表され、そこから今日まで広く支持されてきました。

痛み(炎症)をおさえる

筋肉のこわばりをおさえる

二次的な損傷を予防する

ネットや雑誌にこれらのことがよく書かれていますが、実は医学的にはまだ証明しきれていないのが現状です。仮説をそのまま私たちが信じているだけで、今でも仮説の域を出ていないものもあります 。

とはいえ怪我した直後の痛みに対してアイシングをすることはとても有効ですし、オススメしたい内容です。

急性期のアイシング方法

前回のコラムで”アイシングは治りを遅らせる“というお話をしましたが、正確にはこのような意味です。

怪我を生じてから6時間以上のアイシングと安静のサイクルを繰り返す科学的根拠はない。

つまり、むやみやたらなアイシングの継続が否定されています。

ケガをした直後に10分間アイシングを行なって、その後20分あけてから必要に応じて2回ほど繰り返すと良いです。

アイシングのポイントは2つあります。

  • アイシングの圧迫を強める
  • 皮膚とアイスパックの密着度を高める

アイスパックと患部の間にスキマをができないようにして、さらに圧迫をかけながらアイシングを行うことで、より早く最大の冷却温度に到達できます。

“なぜ?”の意識でアイシングを行う

イシングにはメリットもデメリットもあります。そのため、アイシングをする・しないを考えるときには目的が大切です。

繰り返しになりますが、急性期のアイシング目的は痛みを抑えることです。ただし無闇に継続することは、組織が治ろうとする治癒過程をジャマしてしまう可能性があります。

たとえばケガをして1週間経っても痛いときがありますが、治癒過程における痛みなどの炎症所見はむしろ良しとみなすこともときに必要です。

この点は判断がむずしいと思いますので、お気軽にご相談ください。

最後にアイシングの方法をかんたんにまとめて、この記事をおわりにします。

  1. ケガをした直後であれば10~15分のアイシングを20分の間隔をあけて2回行う
  2. その後は適度な患部保護と適切な運動を行う
  3. 痛みで寝れなかったりストレスを感じるなら、痛みを和らげる目的で行う
  4. 腫れに対してアイシングは効果が乏しいため、行う理由として乏しい
  5. 打撲に対してはアイシング継続よりも圧迫がおすすめ

ということで今回は急性期のアイシングについてでした。次回コラムでは慢性痛に対してのアイシングについてのお話です。

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