膝の痛みでお悩みの方へ
痛くて曲げれない
走ると痛い
引っかかり感がある
階段の上り下りがつらい
膝の痛みでは、変形性膝関節症・オスグッド・膝蓋腱炎・腸脛靭帯炎・半月板損傷・靭帯損傷などがあります。原因は加齢・オーバーユース・身体の硬さ・交通事故とさまざま
こちらのページでは、膝の痛みに関する疾患と日常生活で気をつけていただきたいことを分かりやすくご説明いたします。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢や筋力低下、膝の酷使によって関節軟骨の摩耗・関節の隙間が小さくなり、関節変形や痛みが生じるものです。

日本整形外科学会「整形外科シリーズ3」より画像引用
もし過去に膝の靭帯や半月板のお怪我をされたことがあれば、関節症になりやすいとも言われています。
主な症状は膝の痛みと腫れです。初期の頃は違和感が主で痛みが長時間続くことはありませんが、症状が進むと歩行時や階段昇降時に痛みを感じだし、膝の曲げ伸ばしも困難になります。

日本整形外科学会「整形外科シリーズ3」より画像引用
治療方針は基本的には保存療法(注射・内服・リハビリ)ですが、痛みが強く日常生活に大きな影響が出る場合には手術療法(関節鏡視下手術・高位脛骨骨切術・人工関節置換術)が検討されます。
保存療法では、こちらのことを行なっていきます。
- 関節内注射、痛みを軽減させる内服や外用剤
- 徒手療法・運動療法・物理療法などリハビリテーション
- 家屋環境や日常生活動作の見直し

例えば階段昇降の方法を少し変えるだけでも痛みが小さくなることがあります。また、水を抜くと癖になると言われることがありますが、これは炎症が持続しているためで、治療で炎症がおさまれば水はたまらなくなります。
オスグッド・シュラッター病
小学校高学年から中学生の間に起こる、骨の成長障害でいわゆる成長痛のことです。お皿の下にあるスネの骨が少しずつ突出して、発赤・熱感・痛みが生じてきます。

日本整形外科学会ホームページより画像引用
状態が大きく進行した場合、突出した箇所がすねの骨から剥離してしまいます。
原因は主にこちらです。
- 骨の成長に対して筋肉の柔らかさが追いついていない
- 過剰な運動量
- 前ももの筋肉ばかりを使って運動をしている
オスグッド・シュラッター病は多くの場合、成長期が終われば痛みは消失します。

スポーツに打ち込む子たちにとって、そのときはかけがえのないものです。安静指導も含め、ストレッチやセルフケア方法の指導、競技復帰や再発予防に向けたリハビリはとても重要です。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
鵞足炎
腸脛靭帯炎(ランナー膝)
これらのお怪我は部活動などの運動によって、膝周りに継続的に過剰な負担がかかってしまったときに起こります。

日本整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ10」より画像引用
痛みが発生する箇所はそれぞれ違いますが、痛みが起こる原因は基本的には共通しています。
- オーバーユース
- 柔軟性の欠如
- 身体の使い方
初期の症状であれば、ウォーミングアップ時の痛みや運動後の痛みだけでプレーには支障がありません。症状がさらに進むとプレー中にも痛みが常に起こってしまいます。
安静期間を設ければ時間の経過とともに痛みは落ち着きますが、柔軟性の欠如や身体の使い方とったことに関して改善を行っていかないと痛みが再発してしまう可能性があります。
半月板損傷
半月板は膝の内側と外側にそれぞれ1つずつある三日月状の形をした軟骨組織で、以下のような役割を果たしています。
- 荷重の分散
- 関節の安定化
- クッション作用
- 滑液の分散
半月板に傷がつくと、体重をかける・歩く・曲げ伸ばしの際に痛みや引っかかり感を感じるようになります。また、関節にはまり込んで膝が動かなくなることがあります(ロッキング現象)。
半月板に傷がつく理由は主に2つです。
- スポーツ中のジャンプからの着地や切り返し動作
- 加齢による組織の退行変性
半月板は血流が乏しく、損傷箇所によっては一度傷ついた組織の自然治癒は起こりづらいと言われています。

日本整形外科学会「整形外科シリーズ11」より画像引用
治療は保存療法と手術療法があります。

度重なる引っかかりや膝のロッキングが起こる場には術療法が検討されます。手術は関節鏡視下で半月板の縫合あるいは部分切除が行われます。
内側側副靭帯損傷
内側側副靭帯は膝の内側を上下に走る靭帯で、関節の横方向のズレを防いでくれる役割を果たしています。膝の靭帯には内側側副靭帯の他に、前十字靭帯・後十字靭帯・外側側副靭帯の3つがあります。

日本整形外科学会「整形外科シリーズ14」より画像引用
内側側副靭帯の損傷が起こる原因は、スポーツ中に相手プレーヤーと激しく接触したときやジャンプからの着地の失敗など、膝関節を支え切れなくなったときに起こりやすいです。また、交通事故で損傷するときもあります。
治療は基本的には保存療法ですが、損傷の程度が大きいときには手術療法が検討されます。